お花を教えていると毎回といっていいほど「私センスないんです。」と言われて参加する方が多いです。
このセンスは何を指すのでしょうか?
おそらくフラワーアレンジの世界においては
・個性的でオリジナルな作品
・素敵で可愛い作品
と自他他者共に納得する作品を作ることだと思います。
センスの意味として
「物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。」(Weblioより)
というのがあります。
この「微妙な点まで悟る働きの表現が出来ない」と「センスがない。」と思っている方が多いようです。
今回はフラワーアレンジのセンスに関して思ったことを書いていきたいと思います。
1.フラワーアレンジメントのデザインセンスはアートではない。
お花の世界、アレンジを習うに置いて上記に書きました「微妙な点まで悟る働きの表現」のセンスは必要ありません。これはアートの世界のセンスを指していることだと思います。
デザインとアートと混合されがちですが
デザインはターゲットに向け、見る側の感じ方を予測し、感じとる目的を明確にしておくことが重要になります。
フラワーの世界に置いてのターゲットはお花をプレゼントする人または自分です。
お花を作った時に渡す相手または使う人を考えると良いでしょう。恐らく不特定多数の方をターゲット(対象)に作ってはいないと思います。家族や友達、恋人、または自分。かなり身近な存在に使用されることが多いのではないでしょうか。
そうしますと見る側の感じを予測する。と難しいことは考えず、受け取る側の相手または自分の好みを考えれば良いのです。
好きな色、好きな花、好きなアイテム。これがマッチすれば喜ばれる良い作品になるのです。
社会の現実や理想、その矛盾を美的表現にまで高めて描き出し、ある層のターゲットに向けて芸術的用法でメッセージを発信するのがアート、芸術です。
そのアートのような作品に社会へのメッセージや他者と違った表現はフラワーアレンジには必要はありません。(世界屈指のフローラルアーティストを目指すには相応の表現力や技術力は必要になりますが。)
フラワーのデザインにおいては身近な人に届ける為に、その人の好きな色、お花を組み合わせ、喜ばれる作品にすれば良いのです。
喜ばれる作品が良い作品であり、それはセンスの良し悪しは関係ありません。
例えば犬好きの人にプレゼントするお花は犬のマスコットが入ったフラワーをプレゼントしたりします。これは犬嫌いの人には嫌なプレゼント。相手の好きなことを思い出し、それを連想させる物を一緒に入れてあげることが重要になります。
お花の渡す相手の好きな物、色、イメージを添えれば喜ばれる良い作品となるのです。
2.素敵で可愛い作品を作る為に
相手のイメージに合わせたものが良い。とはいってもそれだけだどお花を綺麗に見せることは出来ません。
お花のアイテムを作るのに必要なことは、
・サイズのバランスが取れた作品を作ること。
・アイテムに合った色のバランスで生けること。
です。この2つが出来ると一般的に「可愛い」「素敵」な作品となるのです。
このサイズと色のバランスはセンスではなくスキルで身に付きます。
もともと感覚が良い方というのはいらっしゃいますがほとんどはそうではありません。誰でも最初は一からそのバランスを習うのです。
サイズのバランス
フラワーアレンジは特にお花の向きや長さで綺麗に見えるか見えないかが決まったりします。この花器だったらお花の長さは〇〇、間隔は〇〇開けて、茎の長さは〇〇などの「綺麗に見えるプロセス」を知ることで人から綺麗に見えるセンスを身につけることが出来るのです。
お花のアレンジでは
・メインフラワー
・サブフラワー
・隙間を埋めるフラワー
・動きを出すフラワー (無くても良い)
この3つまたは4つの役割ごとにお花を選びます。
(手順)メインフラワーを器の高さの1.5~2倍にセット → サブフラワーをメインフラワーの周りに配置する → 最後に隙間を埋めていきます。
このお花の”長さ”を知ることでお花をカットし綺麗に生けることが出来ます。
このお花の場合は「1.5の長さ」となった場合でもお花の蕾の大きさや葉っぱの分量で「2」となる場合もあるのです。それを先生に教えてもらい「1.5」の分量はどのくらいかを教えてもらうことで今まで「綺麗〜」と思われている作品を作ることが出来るのです。これは教えてもらえないと分かりません。また分かった、理解したと思っても花材を変えてしまうと分からなくなります。
続けていくことで勘が身に付き、体現することが出来るのです。
またお花によって茎が弱かったり、お花が垂れてしまうものがあります。これはこちらがいくらセンスが良くても変えることができません。でも針金を使用してお花の向きを変えたり、茎が弱いものを針金で補って垂れないようにすることで綺麗にお花を生けることが出来ます。これは持って生まれたセンスよりスキルが大事になります。
お花を綺麗に見せることはスキルで身につけていきます。
これは知らないと出来ないものですので習うこと、知ることで習得できます。
色のバランス
色は3つの要素「色相」、「明度」、「彩度」という3つの分野に分けられ『色の三大属性』と呼ばれたりします。
色のお話も深く興味深いのですが、フラワーの世界に置いて色のバランスを取るのは下記の3つを基本に考えます。
・同じ色味を使う。
・補色を使う。
・流行色を取り入れる。
を参考にすると良いかと思います。
下記のカラーチャートを元に色の組み合わせをご説明します。
・同じ色味を使う。
カラーチャートを参考に隣同志の色合いを使うとバランスの取れたアレンジが作れます。
例えばピンク✖️紫、緑✖️黄、赤✖️オレンジの組み合わせを使う。です。
同色系を使用すると作品がまとまり、お花の質感が違って深みが出てきます。
難しいことは考えず似た色を使う!だけで綺麗な色味の作品が出来上がります。
・反対側のお花を使う。
カラーチャートの正反対に位置する関係の色の組合せのことを補色といいます。
例えば、赤✖️緑、紫✖️緑、ピンク✖️緑です。
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ピンク✖️緑
反対側の色は色の対比がはっきりしているので使うのに躊躇してしまいがちですが組み合わせると案外綺麗だったりします。
目立つ組み合わせで個性的な作品になります。
・雑誌の色をそのまま使用
色のチャートを考えるのは大変と思ったら、雑誌に掲載している色合いをそのまま使用します。
雑誌に掲載されている作品は流行のものだったり、世の中で人気が出ているものです。特に洋服の色は女性が敏感に感じとる色なので好きな雑誌があればその雑誌を開いて好きなモデルさんが着ている洋服の色を参考にしてみてもいいかもしれません。
無造作に色を選んで作ってしまうとバランスがバラバラだったりしますが、お花の色の組み合わせは自分で考えなくても世の中にあるものを参考にすれば良いのです。
色の組み合わせも感覚で出来る方はいらっしゃいますが、知識で身に付きます。そういう色の組み合わせがあるのね。と知るだけで次に使えたりしますので知識と経験で色の表現は広がります。
また色の場合は覚えるのではなく、好きな色を組み合わせる。というのだけで可愛い作品になったりします。お花は季節によってだいぶ種類が違いますので好きな色を混ぜよう!と思ってもその季節のお花しかない場合があります。
その季節のお花を沢山使用すると色はミックスされているので「春のブーケ」としてまとまった作品を作ることができます。ミックスすると沢山お花を使用することになりますのでその量を使って良いのかな。。。と躊躇するのが一番の壁です。使いたいと思ったものは使うと案外可愛いオリジナルの作品が出来上がったりします。
ただ選んだお花をまとめるのはテクニック、スキルが必要になるので選んだだけでは綺麗にはまとまりません。
最後に。一番大事なことは
お花を良く見せる為に針金を使ったり、カラーの組み合わせがあるよ。と書いて来ましたが、何より「センスがない。」と感じる自分自信の評価が一番の問題だったりします。
センスが無い。と思っている人は自分のセンスに向き合っている人がほとんどです。センスが無い人はそもそもそのことを気にしておりません。
自己評価の低さは日本人特有の考え方ですので自信がなくても他者から見たら「すごい!」と思えることは沢山あります。
また美しい、綺麗、と思っているセンスは人それぞれです。いろんな個性を知り、作品を愛することでセンスの自信はついてきます。
一番は自分の作品に自信を持ちましょう。
自信がなかったら身近な方にプレゼントしてみてください。喜んだ顔が見れたらその作品は良い作品となります。
お花はそのままでも可愛いです。一輪挿しを買ってお花を1本飾るだけで素敵なデスク、食卓になります。
お花の可愛い力を借り、ちょっとの知識と経験で素敵な作品はすぐ出来上がります。そして最後は自分の自信を少し加えてあげるとより一層素敵な作品へと変身いたします。
自信が無いから。。。
センスが無いから。。。
なんて思って自己評価を低くするのは勿体無いです。
自分のことを「センスが無い」なんて思わずお花の世界においては「センスは身に付く。」と思っていてください。
籠バック講座の参加者は、センス無いし。。。と話されていた、ハンドメイド、お花の経験が無い方がほとんどです。
下記のYoutubeが作品集なのですが素敵な作品ばかりです。
お花は初めてでも素敵に作れるのますので「センスないし。。。」と躊躇している方がいれば「安心してください。センスは身に付きますよ」とアドバイスできます。
お花は女性を輝かせます。
お花の力を借りてセンス良く見せることが出来るのです🌸
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